重要な約束を忘れる。ボーっとしている時間が長い……実家の親の様子がおかしいとき、認知症を疑うべきかもしれない。動揺しては、事態は好転しない。冷静に正しく対応するため、必要な知識をご紹介しよう。第4回は「効果的な予防法は」――。(全5回)

これが軽度認知症チェックリスト11項目

最近、認知症予防のための取り組みとして提唱されるようになった概念がある。それが軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)だ。現段階では認知症とはいえないものの、放っておけば認知症になる確率が高い状態を表す。

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「認知症は前段階として記憶障害が発生することが多い。家庭生活はほぼ独力で営めるけれど、仕事や社会生活に支障をきたすほど記憶力に問題が生じ始めたら、MCIと診断されます」(伊古田氏)

ただしMCIと診断されても、全員が認知症になるとはかぎらない。MCIは誰でも経験する普通の老化の過程であって、約3割が健常に回復するという見解がある。その一方で、MCIと診断された人の5~10%が1年後に、20~40%が5年間で認知症に移行したという研究報告もある。