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意外な予防手段としては、減塩がある。イギリスで政府が1日の塩分摂取量を6グラム以下(日本人の成人男性の平均塩分摂取量は11.0グラム)にするという減塩政策をとったところ、認知症の有病率が20年間で2~3割減少する驚くべき結果が出た。減塩することで高血圧が減り、それにより脳卒中と脳血管障害が減ったのだ。また認知症はアルツハイマー型と診断されても、背後に脳動脈硬化や小さくて目立たない梗塞が隠れていることが多く、それらのケースにも効果があると予測できる。

予防は若いうちから取り組むほど有効だが、老いた親世代は何を意識すべきか。

「社会的交流を活発に保つことも重要です。軽い認知症だったのが、異性の友人ができたとたん進行が遅くなった患者さんもいます。孤独で引きこもると認知症は早く進行する。交友関係を広げておきましょう」(同)

「海馬の衰えは、しばしば認知症の記憶障害をもたらします。つまり海馬を日常的に使っていると、認知症になりにくい。自分のいる場所や目的地について考えるなど、空間認知に関わっているとき海馬は鍛えられるので、いろいろなところに出かけ、頭を使うことをお勧めします」(阿部氏)

阿部和穂
1963年生まれ。武蔵野大学薬学部教授。薬学博士。専門は脳と薬。近著に『認知症 いま本当に知りたいこと101』(武蔵野大学出版会)
 

伊古田俊夫
1949年生まれ。勤医協中央病院名誉院長。社会脳科学の立場から認知症の臨床研究を進める。近著に『40歳からの「認知症予防」入門』(講談社ブルーバックス)
 
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(撮影=金子山 写真=iStock.com)