次に、友好親善活動について。大口見込み顧客への初めての売り込みに向けて準備を進めていたとき、ビッグバンク・チームは営業担当副社長に、一緒に顧客のところに行ってほしいと頼んだ。チームは副社長に対してこれまで行ってきた仕事の成果を余すところなく披露し、新しい組織編成の中で効果的に仕事を遂行する能力を実証した。副社長は、チームの成功を上司に報告した。この顧客への販売が完了すると、副社長は続いて他の顧客に対する売り込みにも進んで同行した。
友好親善活動の内容は、プロジェクトやチームを経営上層部に売り込むことや、資源を獲得するために働きかけることなどだ。つまり、チームを会社の上層部に結びつけて、影響力のある人びとからの支持を獲得するのである。
最後に、調整活動について。銀行に通信システムを販売するためには、複雑な作業が必要だ。顧客のニーズを理解し、解決策を生み出し、入札し、落札後は提案を実行し、さらにはシステムの設置を監督しなければならない。これらすべての段階で成功するということは、社内外の多くの個人やグループの協力が不可欠だ。
そうした協力を得るためには、他のグループと交渉し、相手からの助力と引き換えにサービスを提供し、フィードバックをもらうことが必要である。
調整活動は、調査活動と同じく全社の人とつながることをその一部とするが、調査活動よりずっと的を絞った活動であり、その目標は情報を得ることではなく、調整し、連携をとり、協力する気を起こさせることだ。