会社がOKを出すなら税務署は不問

また、勉強会や交流会への参加については事前申請が必要で、上司の許可を得てから参加するという形が定石だろう。その判断基準は会社による。販路を広げるため、資金調達をするため、仕入れ先や外注先を探すためなどといった、直接仕事に結びつく成果を期待することもあれば、「さまざまな人に会って見識を広げてこい」というポリシーで人材育成を図るケースもある。

時事通信フォト=写真

いずれにせよ、利益を目的として活動している企業が、社員のためにわざわざ無駄なお金を出すわけがない。つまり、社員から事前申請があった場合も、何かしらのメリットがなければ承認されないわけだ。

問題は事後申請の場合だ。会議費や接待交際費でも同様だが、たとえ内容的に問題がなくても、上司の心証は悪くなる。とはいえ、ある程度の裁量を与えている社員に対してなら、数千円程度であれば認めやすいかもしれない。だが数万円単位となれば、認めてもらえなくても仕方がない。大切な取引先からの声掛けで、緊急で勉強会や交流会への参加を余儀なくされた場合でも、必ず口頭で上司の承認を得ておくのが賢いやり方だ。

▼「勉強会」と「私的な飲み会」の境目は?
(1)領収書の発行主が「~交流会」etcなら、よほどヘンな会場でない限りOK
(2)会社の規模・内規によって異なる

(大規模な会社の場合)
・「部署の誰が認めてくれるか」が問題
・業務とかけ離れていても一概にNOとはいえない
・当人の“説得力”次第。会社OKなら税務署は不問
(オーナー会社など小規模会社の場合)
・業務とかけ離れると、現物給与的なもの(賞与)として扱われ、所得税算出の際に問題となる場合あり
梅田泰宏
公認会計士
税理士法人キャッスルロック・パートナーズ代表。著書に『[図解]知らないとヤバい! 領収書・経費精算の話』『これだけは知っておきたい「税金」のしくみとルール』ほか。
(構成=小澤啓司 撮影=初沢亜利 写真=AFLO、時事通信フォト)
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