会社の経理部員や人事部員たちは、何を考え、どこを見ているのか。お金の問題を甘く見ていると、「想定外」の落とし穴に落ちることもある。「プレジデント」(2018年3月19日号)では、11のテーマについて識者にポイントを聞いた。第3回は「副業OKの注意点」について――。
ネットオークション収入6000万円の申告を忘れると
副業は「本業が疎かになる」「本業と競合する」「情報漏えいや、信用失墜行為のリスクがある」などとしてタブー視されてきましたが、今、仮想通貨取引、FX、株取引、ネットオークションやアフィリエイトなど、スマホで簡単にできる副業が少なくありません。事前に申請すればOKという企業も増えてきました。
副業OKか否かは、職場の就業規則で確認できます。近年はイントラネットで閲覧できる企業も。ただ、同族経営の企業などはその限りではありません。
副業で得た収入には、もちろん納税がついて回ります。気をつけるべき点は2つ。まず1つ目は、確定申告の必要があるか否かを知ること、2つ目は住民税の支払いについてです。
まず、確定申告については、副業の収入が20万円以下なら不要の場合が多いですが、20万円を超えると所得税の納付の義務が生じ、確定申告が必要になります。それを怠ると、重いペナルティが課されます。支払っていなかった税額によって5%、10%、15%の無申告加算税。そこに延滞税が加わります。
実際、ネットゲームで得たアイテムを数年間にわたってネットオークションで販売し、そこで得た6000万円以上の申告を怠った結果、計約2000万円を追徴された例もあります。
住民税については、副業で1円でも稼いでいれば申告する義務があります。そこが洩れても追徴されるので注意が必要です。