文章は一覧性のあるiPadと同期させる
数年前に音声入力が登場したときは、性能の高さに驚嘆しました。最初はグーグルの検索で使いましたが、検索の単語でできるなら文章でも可能だろうと試みてみると、想像以上に優秀だったのです。かなり長い文章を話しても、いくら早口で話してもテキストに変換しました。
以来、原稿を書くときには、グーグルドキュメントに音声で入力する方式で行っています。クラウドで同期していて、デバイスに依存しないので便利です。スマートフォンで音声入力したものを、瞬時にPCでテキストで見ることができます。
Googleドキュメントを使うと、iPadと同期できるのも大きなメリットです。以前、私は原稿を書いていて、ある程度の量がまとまったら、紙にプリントしていました。一覧性がほしいからです。全体を見ることによって、文章の位置を入れ替えるなどの編集が的確にできるようになります。
iPadには一覧性があり、しかもPCやノートPCと違い、縦にしても一覧できるので、原稿を見るのに紙より便利です。iPadを使うようになってから紙にプリントしなくなりました。驚くべき変化です。
スケジュール管理のために、私は一覧性のある『「超」整理手帳』を考案しましたが、何を、どのように見るかという視点は重要です。音声入力によって、思ったこと、考えたことを、簡単に「見る」ことができるようになりました。
スマートフォンの小さい画面では一部しか見ることのできないテキストも、一覧性のあるiPadなら全体を把握することができます。新しい技術や機器を上手に組み合わせ、使いこなすことが、仕事の質を高め、効率化を進める鍵を握るのです。
野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問
1940年東京生まれ。1963年、東京大学工学部卒業。1964年、大蔵省入省。1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問。一橋大学名誉教授。2017年9月より現職。
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問
1940年東京生まれ。1963年、東京大学工学部卒業。1964年、大蔵省入省。1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問。一橋大学名誉教授。2017年9月より現職。
(写真=iStock.com)