忘年会や新年会の連絡が入ったり、お正月休みの過ごし方に悩んだりと、スケジュール管理が大変な時期が迫っています。ビジネスにおいてもスケジュール管理がなによりも重要。では、管理ができる人とできない人では、一体何が違うのでしょうか。「超整理」シリーズなどで知られる野口悠紀雄氏が、「予定の立て方のコツ」を指南します――。

【コツ1】スケジュール帳の機能を理解する

最初にあげるのは、コツというよりも大前提となる考え方ですが、「スケジュール帳の機能を理解する」ことです。それが手帳であれスマートフォンのスケジュールアプリであれ、スケジュール帳を使わずに仕事をしている人はほとんどいないと思います。

「超」整理手帳 スケジュール・シート スタンダード2018

まず、スケジュール帳には二つの機能があります。一つは、予定を書き込み、決めた予定を正確に実行するための機能。もう一つは、能動的にタイムマネジメントをするための機能です。もちろん、前者は重要ですが、多くの人はそれだけで終わってしまっています。後者の機能に気づいていないからです。スケジュール帳をベースとして、どのように予定を選び、どのように予定を並べていくか。すなわち、能動的なタイムマネジメントこそが仕事の効率化を進め、大きな成果に結びつける方策であることを理解しましょう。

指示された仕事をこなすだけのために時間を使うのではなく、自分がやるべきことを考え、その実現のために予定を組んでいくのが、能動的なタイムマネジメントです。能動的なタイムマネジメントをしていなければ、それは時間に押し流されていることになります。そうなると、仕事を楽しいと感じることができず、ストレスも溜まります。

【コツ2】仕事の優先順位を自分自身で考える

では、どのようにすれば能動的にタイムマネジメントをすることができるのでしょうか。大事なのは「仕事の重要度、優先順位を自分自身で考える」ことです。

私の場合、最も重要な仕事は本を書くことです。本1冊を完成するには、一定の時間、2カ月から3カ月程度は、執筆を活動の中心にしなくてはなりません。そのためには、締切りに至るまでの期間に、どのように執筆の時間を獲得するかが鍵となります。いかに無駄を省くかが勝負といってもよいでしょう。具体的に言えば、打ち合わせや雑事など、執筆以外の業務はなるべく同じ日にまとめ、移動時間やすきま時間を減らすように努めています。

仕事の重要度、優先順位を決めることができれば、おのずとスケジュールの組み方に目安ができます。ただし、なにが重要かという判断は難しいものです。とくに会社に勤めていて、上司から恒常的に多くの指示を受けているようなケースでは、目の前の仕事をこなすことで手一杯ということが多いでしょう。しかし、目の前の仕事をこなすことで手一杯という状況になっている根本的な原因は、スケジュール管理がうまくできていないことです。