「すべての男性社員は“抵抗勢力”です」

企業のほうからも、管理職になりたがる女性がいないという声をよく聞きます。

女性が出世・昇進への関心が低い理由としては、さまざまな理由があると想像できますが、そのうちのひとつは、身近に管理職として活躍する女性が少ない、ということがあるのではないでしょうか。

管理職の女性がいなければ、そうした働き方に関心をもつ機会も少なくなります。女性の管理職を増やすためには、管理職の仕事内容や管理職につくことのメリットなどを知る機会を増やすことが必要です。

今回、この原稿を執筆するにあたり、働く女性たちに、「なぜ管理職になりたい女性が少ないと思うか」という点について聞きました。

「社内派閥といったものに全然興味がない。村社会に属するための集まりなど、純粋な仕事以外の仕事を強いられるのは時間のムダだと感じる」(商社・32歳・既婚・子ども1人)

「『年上の部下』『(すべての年齢の)男性社員』という部内の“抵抗勢力”を引っ張って行かなければならない(管理職を務める)のは正直しんどい。彼らは『働き方改革だ』『女性を重用しなければ』と言いながら、心の中では女性を下に見ている。腹立たしいけれど、その考え方を改めさせる作業は仕事以上に大変です」(銀行・36歳・既婚・子ども2人)

管理職になれば、仕事に打ち込むだけでなく、社内の人間関係や力学にも目配せしなければなりません。女性管理職の比率が低いのは、男性管理職ばかりという閉鎖的な職場環境にひとつの問題がありそうです。

【高学歴女性の社員の特徴2:自分の能力やスキルを活かしたいという気持ちは強い】

アンケート調査結果では、「自分の能力やスキルを活かすために働くことが重要だ」と考えている女性(「そう思う」「強くそう思う」と回答した女性)は、就活時点で約6割近く存在しています。この比率は、アンケート回答時点においても大きく変わりません。結婚や出産などのライフイベントを経ても、仕事を通じて、自分の能力やスキルを活かしたいという気持ちの強さに変わりはないということがわかります(図表2)。