家族が甘やかすと、場合によってはボケてくる

「高齢者を家族が甘やかすと、体力も気力もどんどん低下して、そのうち自分では何もできなくなってしまいます。すると、思考力は衰え、行動は狭まり、場合によってはボケてくる。『親の面倒を見る』ということの意味をはき違えて過保護にすると、お互いにとっていい結果にならないのです」(黒田氏)

日本では近年、「介護離職」の問題が拡大。2007年10月~12年9月の5年間に、介護・看護のために離転職した人の数は48万7000人にのぼる。それ以外の選択肢がないケースももちろんあるが、ますます要介護者が増えるとされる今、介護との上手な付き合い方を模索する必要があるだろう。

黒田氏によれば、親ができるだけ長く、自立した生活ができるようサポートするのが子としての務め。高齢の親には、わが子を千尋の谷に突き落とす獅子のような気持ちで接し、ある程度は大変な思いもさせなくてはならないのだという。ひいてはそれが親の自立につながり、私たちが「介護うつ」や「介護離職」で自分たちの生活を瓦解させないための予防策になるのだ。

とはいえ、親の環境や心身の状態によって最良の選択は変わる。

黒田尚子(くろだ・なおこ)
CFP、1級FP技能士、消費生活専門相談員。著書に『50代からのお金のはなし~介護、相続、実家対策まるわかり』『がんとお金の本』などがある。