ケアマネの質によって、介護の満足度は大きく変わる

高齢の親ががんなど大病を患った場合や認知症を発症した場合、通常の介護費用のほかに医療費もかかるため、経済的な負担が大きい。お金があれば選択肢が広がり、公的なサービス以外のサポートも受けられる。身も蓋もないことを言うようだが、どんな人も早めに「貯蓄」という備えを持っておくべきだろう。

次に介護生活の明暗を分けるのが「情報」だ。お金に関して言えば、1カ月に一定額以上の介護サービス費を支払った場合、「高額介護サービス費制度」で払い戻しが受けられる。また、医療費もかかるのなら「高額医療・高額介護合算療養費制度」もある。さらに、治療中の薬を「ジェネリック」に変更すれば、それだけで2~6割薬代を節約できる。もし親の病気が「特定疾病」「特定疾患」にあたれば、1カ月の医療費の自己負担が原則として1万円(収入によっては2万円)になる。親切に教えてくれる病院ばかりではないし、どれも手続きが必要なものばかりだ。情報収集が欠かせない。

介護生活を左右する重要な要素としては「ケアマネジャー(以下、ケアマネ)」の存在が挙げられる。ケアマネは、地域のどこでどんな介護サービスを受けられるかを熟知した「介護の道先案内人」。介護サービスの利用窓口となる居宅介護支援事業者に所属していて、面談などを通して担当者を選ぶパターンが一般的だ。担当のケアマネが決まれば、「自分で服の着脱ができるように」など、どんな目的で、どんな介護サービスを受けるかプランを立てていく。ケアマネの質によっては、介護の満足度が大きく変わるため、慎重に選びたい。

それでは、信頼できるケアマネの見分け方を紹介しよう。1つ目のポイントは、よく話を聞いてくれるか。残念ながら、ケアマネの中には、よく話も聞かずに「要介護度3ならこのプラン」と決めてかかる人もいる。そのほうが楽だからだ。優秀なケアマネは、話をよく聞き、それぞれに合ったプランを練る。こちらも、状況をきちんと伝える努力は必要だろう。