【鉄則4】困った社員の指導やフォローに時間をかけない
多くのリーダーは、困った社員に多くの時間をかけている。真面目な部下想いのリーダーほどその傾向が強い。部下育成に対する強い想いを否定するものではないが、そういうリーダー初心者は、新任管理職研修で習ったマネジメントのカテゴリーを満遍なくやろうとする。組織の業績管理、自身の担当業務、部下指導、部下育成、コンプライアンス……やるべきことはたくさんあるので、結局どれも消化不良のまま初年度は過ぎていく。
そんな限られた時間しかないにもかかわらず、部下指導の時間配分では、就任当初は平等に割いていても、パフォーマンスの低い困った社員により多くの時間を使ってしまうことになる。さらに伸びてほしい優秀な部下に対しては、放置しておいてもそれなりのパフォーマンスを出すので、あまり時間はかけない。
しかし、本来は逆であるべきだ。期待値の高い優秀な部下ほど多くの時間をかけてでも早くリーダーの補佐的な立場になってもらい、より高度な業務、高いミッションを持ってもらう必要がある。
人事評価者研修では、「評価面談には最低1時間くらいはかけましょう」という話をするが、2時間かける人もいれば15分で終わる部下がいてもいい。それは仕事ができる・できないの順番ではなく、組織マネジメントに照らして、いま誰に時間をかけるべきかをその都度しっかりと考えることが重要だ。