仕事のコミュニケーションは「メール」「電話」「会う」がトップ3だ。ただ、LINEやFBメッセンジャーなどチャットツールを使う機会も増えているようだ。文章のマナーはどう変わるのか。押さえるべき作法は何か。ビジネスメールの第一人者である平野友朗氏に聞いた――。
メールを書ける人は「段取り力」も高い
「正しく伝わるか」「相手を不快にさせないか」「宛先が間違っていないか」「誤字や脱字はないか」「敬語が間違っていないか」。日本ビジネスメール協会が仕事におけるメールの利用状況と実態を調査した「ビジネスメール実態調査2016」では、7割の人がこうした不安を抱いていることが浮き彫りになりました。これは裏を返せば、マナーに対する意識が高い、ということです。
調査結果によると、過去1年間に仕事に関するメールを受け取り、不快に感じた人は約4割。その内容は「文章が曖昧」「文章が失礼」「文章が攻撃的」「必要な情報が足りない」「メールが読みづらい」といったものでした。失敗を避けるポイントはこのあたりにありそうです。
まず、曖昧となる典型例が「なるべく早く」など、人や状況によって、それが1時間とも3日後とも、どうとでも解釈されてしまう表現。誰が読んでも同じ解釈ができる文章にしなければなりません。「文章が失礼」「文章が攻撃的」と感じさせるのは、礼儀に欠けているメールや、寛容さの足りないメールが不快感を誘発している可能性があります。
「必要な情報が足りない」「メールが読みづらい」というケースでは、受け取り側は、不明な部分を質問しなければならなかったり、理解するのに時間がかかったりという負担が生じます。