思考力が求められるのは「要旨」と「詳細」だけ

これを避けるには、メールの基本構成をしっかり押さえる必要があります。メールは「宛名」「挨拶」「名乗り」「要旨」「詳細」「結び」「署名」という7つのパーツで構成されています。この中で思考力が求められるのは「要旨」と「詳細」だけで、ほかはある程度パターン化できるものになります。

そうした構成は、いわゆる「ロジカルシンキング」の手順に似ています。「要旨=結論」を明確に示したうえで、「詳細=本文」の伝え方を突き詰めていくわけです。誤解を避けつつ、できるだけわかりやすい書き方を考える。それは、あらゆる仕事に求められる能力です。しっかりしたメールを書ける人は、仕事の段取りもしっかりしているはずです。

一方、文章の中身で問題となるのは、一文が長くなるケースです。たとえば、この文章を読んでください。

「○月○日に新商品の発表会を開催させていただくのですが、○○様に興味をもっていただけるラインナップとなっておりますので、ぜひご参加いただきたいのですが、ご都合はいかがでしょうか」

この文章が読みにくいのは、「が」や「ので」を使いすぎているからです。こうして一文が長くなると、主述関係のねじれも起こりやすくなります。もし自分の文章に「が」や「ので」が出てきてしまったら、あとで句読点に置き換えて、文章を区切るようにしましょう。一文はできるだけ短いほうが、スッキリしてわかりやすくなります。

また、「~(させて)いただき」を連発する文章も問題です。リズムが悪く読みにくいうえ、慇懃無礼な印象も与えます。過剰な敬語表現は見直し、丁寧語に置き換えましょう。