音喜多駿都議と小池百合子知事

築地と豊洲の問題も、メチャクチャになってしまった。アスベスト被害や原爆マグロ、ネズミと、あらゆる衛生・安全の観点から「NO」としかいいようがない築地を再整備するというが、まともな有識者の中で、東京都が主導する「食のテーマパーク」がうまくいくと思っている人などいないだろう。そもそも、これまで小池を支えてきた公明党議員からも「再開発の開始に、10年以上かかる」と指摘される始末。歴史的経緯を調べるにつけ、どんな危険物が飛び出してくるかわからない築地の地下とどう向き合う気なのか。とはいえ、もう軌道修正できないところまで小池は進めてしまったし、小池が1期4年持たないのではと私が予言した根拠の一つがここにある。

やはり「都政ほっぽりだし」という恥を忍んででも今回の衆院選に出馬をするべきであった。後始末は、自分のあとの都知事に押し付けてしまえばよかったのだ。次の都知事は絶対にできない事業についてどこかの時点で「できません」と白旗をあげるだろうが、それに対し小池は「非常に遺憾だ」ぐらいにコメントしておけばなんとか収まった可能性もあっただろう。

いつもなら、一番に組織を飛び出して命運を保ってきた小池が、なぜ今回出馬しなかったのか本当に不思議だ。もし、先にあげた築地再開発を、実現可能だと今なお考えているとしたら、それはそれで不思議なことである……。

小池の行動の主な特徴としては、防衛大臣のときも、自民党を飛び出して都知事選に出馬したときもそうだったが、小池だけは傷がつかず、飛び出した組織がギッタギタに混乱し、収拾不可能と思われるぐらいのどん底まで叩き落とされることだろう。その意味で、公示日直前に都民ファーストの会を飛び出し、その後、小池の悪口を公然と撒き散らす音喜多駿都議は、小池から多くのことを学んだということなのだ。

東京都民よ、もう一度都知事選挙をしたほうがいいと、私は思うのだが、どうだろうか。

(文中敬称略)

(写真=時事通信フォト)
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