私が予言したことがいよいよ現実味

小池百合子東京都知事率いる希望の党の大失速によって、いよいよ私の予言「小池百合子は、東京都知事1期4年を全うできない」が現実味を帯びてきた。

現在、都議会において小池率いる都民ファーストの会と公明党が連立与党を組んでいるが、これほど都民の心が離れてしまった都知事に、このまますんなり公明党がついていくとは思えない。127人が定数の都議会において、過半数は、64人だ。自民22人と公明23人と共産19人を足せば、過半数に達する計算だ。今後、厳しい都政運営となろう。

本当であれば、小池には、3期12年間は、都知事を担ってほしかった。少なくとも昨年の都知事選挙ではそう考えていたし、まわりの人間にも私は小池支持を明言していた。

小池には、私が首相首席秘書官を務めていた小泉純一郎内閣で環境大臣を務めてもらった。第1次安倍晋三内閣では防衛大臣、その後、自民党党3役の総務会長を担うなど、経験と実績から見て、都知事として申し分のない人物だと信じた。

当時、自民党が応援した増田寛也は、岩手県での知事経験があったものの、総務大臣就任当時に東京都の税収を地方に分配する法案を手掛けたことがあった。東京以外の知事であれば適格だと思うが、さすがに東京都知事は違うと思ったものだ。

もう一人のライバルは、当時の民進や共産が応援した鳥越俊太郎。公示日直前に突然出馬を表明し、派手な演出で選挙序盤は優勢だった。ところが、あまりの人物の薄っぺらさに東京都民が気づき、支持率は急降下していった。

今振り返れば、公示日直前の、つまり、マスコミが中立報道という縛りによってなかなか厳しいツッコミを入れられないようなタイミングでの派手な演出、薄っぺらい政策という意味では、今回の小池の希望の党との類似点が見つけられる。

都議会では、小池支持勢力を圧勝させ、3カ月しか経っていない今回の衆院選では惨敗させた都民の気持ちが、私にはよくわからない部分もあるが、きちんと見ているところは見ているということなのだろう。

少なくとも希望の党の公約である「12のゼロ」について、実現可能だと思っている有権者はいないだろう。政府に思いつきの“希望”を届けるのが公党の役割ではないはずだ。希望を言うだけなら誰にだってできる。

やはり、本音は総理大臣だったのか。国政への足がかりと考えていただろう希望の党が大失速。「都知事としての残り任期を全うできるか疑問」「小池の真似をする政治家が増えてもらっては困る」と飯島氏。(写真=時事通信フォト)