「ガンダーラ」「銀河鉄道999」などゴダイゴのヒット曲を作詞した奈良橋陽子さんの髪は白に黒、ところどころ青や紫の混じりで、とてもカッコいい。そんな奈良橋さんの写真をトップに、白髪プラス黒髪の「グレイヘア」を実践中の60代女性3人を紹介、どうしたらカッコいい白髪になれるかを指南した。

75%の人が「白髪染め、いつかやめたい」

この記事を作るにあたり、読者アンケートをとった。染めている読者82人に「これからも染めますか?」と聞いたところ、75%の人が「いつかやめたい」と答えた。

だけど、ずっと続けてきた白髪染めをやめたらどうなるのか、真っ白で素敵な草笛光子さんにいきなりなれるわけではないし、やめてから白までの「移行期間」が不安。そういう声に応える記事にしたことが人気につながった。

他のシニア女性誌でも最近、白髪が注目の的だ。「ときめき」(世界文化社)は2017年春号で「白髪をもっとお洒落にしませんか?」という記事を掲載したところ、やはり大反響。11月1日発売の秋冬号でもグレイヘアスタイルを掲載する予定だという。週刊女性(主婦と生活社)も9月26日号で「40代からのグレーヘア入門」という記事を掲載している。

「グレイヘア」ブームのきっかけとなったのは、昨年9月に発売された『パリマダム グレイヘアスタイル』(主婦の友社)という写真集だ。パリに暮らす37人の素敵なシニア女性たちを紹介し、1万部を売り上げている。

「女性の白髪=年寄り」という固定観念

主婦の友社は「シニアおしゃれ写真集」というジャンルを築いていて、累計13万部という実績を誇る。『OVER60 Street Snap』など、過去4冊の写真集の表紙を飾る女性は、国内外を問わず全員グレイヘア。そうだ!グレイヘアだ!と作ったのが『パリマダム グレイヘアスタイル』だったという。

発売に合わせ、同社も白髪と白髪染めについて、女性読者にアンケートをしている。

「女性の白髪」「男性の白髪」へのイメージを聞いたところ、「年齢を感じる」は女性の白髪が85.0%、男性の白髪は63.9%。「自然なことだと思う」は、女性の白髪が36.7%、男性の白髪は53.5%。年齢を感じるのは女性の白髪、自然に感じるのは男性の白髪。そう読める。

えー、そうなのー? 女性の白髪にだって、自然を感じてほしいのにー、と思った私であるが、回答者属性を見て、こう思い直した。

若さゆえね、ふっ。

同社のアンケート回答者720人は30歳から81歳で、平均年齢は45.6歳。シニア女性誌「ハルメク」の読者より、10歳以上若い。なので「世間の目」を意識しがちなのだと思う。世間の目とはまだ、男性中心の目だ。だから「女性の白髪=年寄り」という固定観念に縛られがちなのだろう。