上司を納得させるデータで武装する
そう考えると、自分がユニークなアイデアを持っていることは、大して価値はないとも言えます。アイデアには、何より根拠が求められています。オリジナリティがない、ノーアイデアだ、と悩んでも仕方がありません。それよりも、上司を納得させるデータで武装することを優先すべきです。例を挙げると、
・権威ある人の言葉を引用する
・新聞やテレビ、公共機関や大学のデータを引用する
・事前に入手した、社長や役人などの意見をそのまま発表する
・カタカナ語を駆使する
・外国の事例を出して、成功事例です、と紹介する
といった方法があります。もちろん、「考え抜いた結果生まれた独創的なアイデアこそ価値がある」という意見もわかります。しかし、そんなアイデアを会議やプレゼンで堂々と話したところで、時間のムダ。「斬新さを求めている」と上司や取引先はえてして言うものですが、実際はそのアイデアを採用する覚悟を、誰も持っていません。
「君はどう思う?」、「君にはちょっと早い」
部下から質問や提案を受けたときを想定してみましょう。
しどろもどろになっては権威も落ち、舐められてしまいます。ここは、ノーアイデアでも堂々と「君はどう思う?」と聞き返すのが最善の手。あたかも自分には含みがあるように見せて、「相手に考えさせる」ようにするのです。
また、「君にはちょっと早い」と言っておく手もあります。そう言った後にきちんと調べて、考えたうえでメールや手紙などまとまった形で伝えるのです。すると、「自分に考える時間をくれたばかりでなく、きちんとフォローまでしてくれた」と相手を感激させることもできます。
(構成=伊藤達也)