双方の合意があっても「下請法違反」となる!

図1:大企業が「下請けいじめ」で勧告を受けた事例
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図1:大企業が「下請けいじめ」で勧告を受けた事例

厳しい経済状況を反映して、下請けいじめが増えている。2008年度、下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)に基づいて公正取引委員会が勧告を出した件数は15件。04年の改正下請法施行以降、過去最高になった。

下請法では、支払いの遅延や代金の減額など、優越的な立場にいる親事業者が下請事業者の利益を不当に損なう行為を禁じている。しかし、適用範囲は意外に狭い。対象になるのは、製造、修理、情報成果物作成、役務提供の4つの委託取引。建設業は建設業法に類似の規定があるため、下請法の対象とはならない。また、運送やホームページ作成など、実際に下請けいじめが横行しがちな取引は対象外だ。

(構成=村上 敬)