新卒3年以内に離職させない方法はあるか
このように学歴、会社規模別、業種によって大きな格差があることが分かります。典型的な例を考えれば、高卒で中小企業の宿泊・飲食サービス業、生活関連サービス・娯楽業、教育・学習支援業に新卒入社した場合、多くの人が、「労働時間」や「人間関係」などによる肉体的、精神的健康問題を理由に早期退職している、ということになるでしょうか。
こうした傾向は、企業側の立場からすれば、若者の定着率を高めるヒントになります。「賃金水準が低いから辞めてしまう」と考えるのは早計です。「賃金条件」は離職理由の最上位ではないからです。むしろ労働時間や組織風土の改善のほうが、定着率の向上につながる可能性があります。
これから就職活動を行う学生や親御さんにとっても、離職理由の上位の項目は参考になると思います。入社後のミスマッチを防ぐために、あらかじめこれらの項目にそって、転職クチコミ情報などをチェックしておくといいでしょう。「賃金条件」だけで会社を選ぶと、早期離職となってしまうかもしれません。