あなたは会社にどれだけ利益貢献しているか
「俺、去年1億円も売り上げたのに、年収500万円なんて低すぎるよ」
そんな不満を抱いている営業マンはいないでしょうか?
では、あなたの会社に対する貢献度を考えてみましょう。貢献はしていると思うけど、あらためてどのくらいかと問われると、困ってしまう人が多いかもしれません。
まずは、比較的分かりやすい冒頭の営業職から。分かりやすいといっても、自分の年収に見合った業績がどの程度かを、明確に認識している人は少ないのではないでしょうか。
例えば、次のような会社に勤務しているケースを想定してみましょう。
年間売上高100億円、売上高粗利益率(≒売上高付加価値率)20%、社員数200人、うち営業職100人の専門商社。仮に、この会社の適正な労働分配率(付加価値高に占める人件費の割合)を50%とすると、年収500万円の営業マンは、いったいどのくらいの担当売上高をあげなければならないのか。
売上高100億円に対して、粗利益率20%ということは、粗利益高(≒付加価値高)は20億円。そのうちの50%ということは、10億円がこの会社の適正人件費ということになります。ただし、この人件費には、給与や賞与だけでなく、社会保険料や退職金の積み立て分も含まれています。これら給与・賞与以外の人件費の割合は、おおむね年収の20~30%程度です。仮に25%とすると、人件費10億円といっても、このうちの給与や賞与は8億円、その他の人件費が2億円(8億円の25%)という配分になります。一方、この会社では、全社員に占める営業職の割合が100人/200人=50%となっています。
営業職と非営業職の給与水準を同程度と仮定すれば、年収500万円の営業マンが稼ぎ出さねばならない売上高は、次のようになります。
必要売上高=年収500万円×125%(年収に対する人件費)÷50%(営業職比率)
÷50%(適正労働分配率)÷20%(粗利益率)=1億2500万円
なんと、1億2500万円、年収の25倍の売上高をあげてはじめて、給与に見合った貢献をしているということになるのです。もちろん、新規開拓を主に担当している人もいれば、何人かの部下の面倒を見ながら、営業活動を行っている人もいるでしょう。それぞれに役割の違いがあるので、一概には言えませんが、平均値としてはこのような数字になるのです。
しかも、年収の25倍の売上高をあげていれば、十分とも言い切れません。
ルートセールスであれば、自分が担当する前から、その得意先に対してはある程度の売り上げ実績が存在します。前年の売り上げ実績が、1億円の担当地区もあれば、1億5000万円の地区も存在するでしょう。仮に1億2500万円の担当地区を任され、次の年も同額の売り上げを維持した場合、十分に成果を上げたといえるでしょうか。