なかでも、ここ数年独自の付加価値を充実させているのが、全期間固定金利の「フラット35」だ。今年4月から、次の点が変化した。
まず「【フラット35】子育て支援型」「【フラット35】地域活性化型」が創設に。若年層の子育て世代など、対象は限定されるものの、該当者は当初5年間のローン金利を0.25%引き下げてもらえる(詳細は今後発表予定)。
さらに注目したいのが、「アシューマブル(債務継承型)ローン」。フラット35で買った住宅を売却する際、売り主は、返済中のフラット35を、同じ条件で買い主に引き継ぐことができる。つまり、ローンごと家を売却できるというわけだ。
アシューマブルローンの利用例はこうだ。仮に住宅売却金額が3000万円で、売り主のローン残高が2000万円だとする。この場合、差額の1000万円を購入者が売り主に支払う。その後、購入者は売り主が組んだフラット35をそのままの金利で引き継いで、2000万円を返済していく。
低金利のときにフラット35でローンを組んで住宅を買えば、金利上昇局面で売りに出すとき、有利になる。購入するほうは高金利の住宅ローンを組まなくてすみ、購入しやすくなるからだ。
なお、利用条件は対象の住宅が「長期優良住宅」であることなど。所定の条件さえ満たせば、特にコストなどを負担することもなく利用できる。
空き家が急増し、今後は多くのエリアで家が売りづらくなることが予想される。こうした付加価値があれば、住宅市場で有利な立場に立てるので、検討してみるのもよさそうだ。
(構成=元山夏香)