瞑想の基本の一つ「調身」

意識を集中させるために、まず大事なのはその姿勢。形にこだわるのではなく、楽な呼吸ができる形をつくろう。
イラスト=橋本孝久

▼眼
まぶたを少しだけ開いてぼんやりと1m先を見る半眼(はんがん)が伝統的だが、なかには完全に見開く流派もあったり、目を閉じてしまうというケースも。集中しやすい方法でよい。ただしキョロキョロと周囲をうかがうのはNG。

▼耳と肩のライン
耳から肩がだいたい一直線になる感じを意識。胸をクッと前に張るようにすると肺が開き、肋骨も上がりやすい。背中が丸いと肺が狭まり呼吸が充分にできない。

▼腰
骨盤が立つように座ると、背が反ることもなく、呼吸もスムーズで腰への負担が減って長時間の座禅にも耐えられる。椅子に座ってもいいが、その場合は浅めに座って骨盤を立てたい。

▼手
膝の上で、指で楕円形をつくるのが一般的。右が上、左が上などやり方はさまざまだが、重要度はさほど高くないので、股の近く、膝の上など自分の落ち着くところに置く。

▼お腹あたり
へそは通常よりも少し持ち上げるように意識し、さらに腹部は前と後ろの両面から軽く圧がかかって、優しくサポートされているように思い描く。腹の周辺が締まることで、背筋も自然と伸びる。

<主な座り方は3種類>

イラスト=橋本孝久

基本的な足の形は3種類。胡坐(あぐら)、結跏趺坐(けっかふざ)、半跏趺坐(はんかふざ)。胡坐の状態から、右足の甲を左足の腿の上につくようにのせたのが半跏趺坐。左右は逆でもよく、右足が上になるのが吉祥坐、左足が上になるのが降魔坐(ごうまざ)と呼ばれる。さらに残りの足の甲を、逆の足の腿の上にのせると結跏趺坐に。結跏趺坐、半跏趺坐であると膝が腰の位置より低くなり、骨盤が落ちずに背骨が真っ直ぐになるので好ましい。正式な座り方は結跏趺坐だが、無理にする必要はない。辛ければ椅子に座ってもいいが、腰が入るよう(骨盤が上に上がるよう)に注意する。