Case 2. お客が飲み切れなかった焼酎のボトルを居酒屋が持ち帰らせてあげる
飲みきれなかったお酒を持って帰っていいよ、としているお店はよくありますが……。

飲食店におけるお酒の提供について、厳しい免許制を採っている国は多くあります。海外で開業を計画している知り合いから「いやー、リカーライセンスがなかなかおりなくてね」という嘆きを聞くこともしばしばです。

そんな中、飲食店でアルコール類を提供することについて日本は極めて寛大で、届け出の必要すらありません(飲食店の開業には保健所検査などがありますが、開業後にお酒を出すのは自由です)。

ただし、これはあくまでも飲食店という場において「提供」することに限られています。酒の瓶を持って帰らせるという行為は、店側からすると「提供」ではなく「販売」に当たってしまい、そのためには酒類の販売免許が必要になってしまう(つまり「酒屋」の免許が必要になる)のです。

 
Case 3. 出張先で買ったウイスキーをネットオークションで販売する

これはやや判断が難しいケースです。売る場がネットであろうがリアル店舗であろうが、定期的に販売をしていれば、それは一種の商売とみなされますので、お酒の販売免許が必要です。ですから、例えば毎月のようにイギリスに出張に行っていて、その都度希少なウイスキーを購入し、日本国内でネットオークションに出品していたならば、それは酒税法違反に該当します。

しかし、自分が飲むため、あるいは誰かにあげるために買ったけれども余ってしまい、それをたまたまオークションに出したという程度ならば、まったく問題にはなりません。3のケースはその頻度や定期的かどうかという条件によって白黒が決まるわけです。