ワインバル自家製のサングリアは酒税法違反?
実は、ここで挙げた3つはすべて「法律違反」の可能性があるのです。一つずつ見ていきましょう。
Case1. ワインバルが自家製のサングリアを出している
酒税法ではお酒に何かを加える行為を、基本的には「新たなお酒をつくっている」と見なし、それを違法行為ととらえます。その前提の上で、例外事項を設定したり、あるいは事前に許可を受ければ良いとしたりしているのです。
例えば、「カクテル」と呼ばれる飲み物はお酒同士やお酒とジュース類を混ぜ合わせたものですが、法律では「直前に混ぜるのはオーケー」と定めているのでこれは合法です。
あるいは、飲食店が焼酎を使って自家製梅酒をつくることに関しても、「アルコール度数20度以上の蒸留酒をベースにすること」、そして「事前に申請して認可を得ること」をクリアしていれば問題にはなりません。
それでは、自家製サングリアについてはどうでしょうか? サングリアとは、ワインにオレンジなどのフルーツ類を漬けたお酒ですが、ここで問題になるのはベースがワインであることです。ワインはアルコール度数12~15パーセント程度の醸造酒なので、「20度以上の蒸留酒」という先の条件を満たしていません。
税務署の酒類指導官部門に問い合わせたところ、「注文を受けてからワインとオレンジジュースを混ぜ合わせるのであれば問題ありませんが、『あらかじめ漬け込む』となると、それは違法行為になってしまいますね」という回答でした。つまり、飲食店がワインにフルーツを漬け込んで、合法的に自家製サングリアを作るのは難しい、ということになります。