レッスン10:読ませないグラフ=いいグラフ

アンケート集計結果や、質問項目などを全部記すのは、丁寧だがプレゼンの資料としてはNG。目に入った情報をきっかけに聞き手がこちらの意図と別のことを考え出したりプレゼンの途中で口出ししてきて脱線するリスクも高くなる。アンケート結果であれば、項目もギリギリまで絞り、キーメッセージになる情報だけ残して質問項目は単語に変換。余計なことを考えさせないのが鉄則だ。聞く側に無駄な労力を使わせないので、かえって親切になる。

レッスン11:意味のない写真は逆効果

商品説明のプレゼンだったら、製品の写真、競合分析だったら企業ロゴを入れるなど、ビジュアルが入っているとプレゼンの理解度は一気に高くなる。手間はかかるが、資料に関係する現場で自ら撮った写真を使うと、よりリアリティがあって効果的だ。ただし本題にあまり関係ないイメージ写真には注意。女性のイメージ写真を入れたりすると「この子、誰?」と余計なツッコミを入れてくる人がいる。無駄に脱線させるだけの写真なら入れないほうが正解だ。

レッスン12:比較スライドは奥の手

いくら出来がよい提案でも、聞き手側はつい「もっといい案があるのでは……」と考えてしまうもの。そこで有効なのが、A案・B案の提示をすることだ。相手に「自分で選んだ」という満足感を与えられるため、プレゼンの採択率が跳ね上がる。その際には、2案のメリット・デメリットを1枚のスライドにまとめると、よりわかりやすく好印象だ。提案の数が多すぎると、案を絞ってきてないように思われるので、選択肢は多くても3つまでにしよう。

前田鎌利
1973年、福井県生まれ。 ジェイフォン(現ソフトバンク)入社後、移動体通信事業に従事。2010年にソフトバンクアカデミア第1期生に選考され第1位を獲得する。 現在は独立して、全国でプレゼンテーションを教えている。著書に『社内プレゼンの資料作成術』。
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