人生という器を、上手に満たす方法
大学の講義で、哲学の先生が大きなビンを用意した。そして、石ころをビンの口まで入れられるだけ入れてみる。
「ビンはいっぱいか?」と学生たちに聞くと「はい、いっぱいです」と答える。先生はビンを持ち上げると、今度は砂利を入れ始める。砂利は、石ころのスキマに入り込んで、みるみるうちにビンのスキマを埋めていく。
「どうだい、ビンはいっぱいかい?」と聞くと、学生たちは「もちろん、いっぱいです」と答える。今度はビンに砂を流し込む。細かい砂は、石ころも砂利も入れないスキマに入り込んでいく。
「どうだい?」と言う先生に、「今度こそ、もういっぱいです」と学生たち。
最後に机の下からビールの小瓶を出すと、ビンに注ぎこむ。ビールはスーッと砂に染み込んでいく。そして先生は、こんな風に話し出す。
この容器を人生に例えてみよう。最初の石ころは、きみたちにとって一番大切なものだ。たとえば、家族や子供、健康、友達、あるいは自分がすごく好きで情熱を傾けるものに使う時間だ。砂利は、仕事や家や車といった、大切だけど一番には来ないもの。そして、砂はその他のこと。例えば、地区の行事や友人のパーティなど、どうしても行かなくてもよかったり、付き合いだったりする雑多な用事のことだ。
そう。大切なのは、入れる順番なのだ。最初に砂を入れてしまったら、石ころは入れられない――。
これが、タイムマネジメントの要となる。それでは、日常の中で“緊急修理”のように、忙しい中から自分の大切なことに時間を振り向ける実践的な方法を考えてみよう。