SCSKは成功「労働時間が減って業績改善」
もちろん、これだけで問題がすべて解消するわけではありません。
そもそも、それまでの利益水準や賃金水準が妥当であったのか、という議論も必要でしょう。あるいは、初年度はいいとして、2年目以降の還元ルールも考えないといけません。
また、ホワイトカラー職種はともかく、先述したような製造部門や小売業・外食産業において、本当に生産性向上で乗り切れるのか。業種によっては、為替相場や需要動向など、社員の努力だけでは如何ともし難い収益要因もあるからです。
SCSKは、労働時間が減って、業績も改善している成功事例です。長時間労働の是正自体は善に違いありませんが、その結果、企業収益や個人の賃金にどのような影響を及ぼすのか。正直、多くの会社がSCSKのようになれるかどうかは、予測がつきません。