経済的な豊かさをもたらす要因の一つに生産性の向上がある。効率よく付加価値を生み出していければ、国民一人ひとりの所得も増えていく。その生産性は1年間に生み出した付加価値を示す国内総生産(GDP)を就業者数で割ることで求められる。
図1はOECD(経済協力開発機構)に加盟している34カ国の2011年における生産性のランキングで、トップはルクセンブルク。米国は3位につけ、日本はどうかというと、EU(欧州連合)の“アキレス腱”と目される「PIGS」の一角をなす7位のイタリア、14位のスペインよりも後の19位にようやくランクイン。図2にあるように、主要先進7カ国のなかでは1994年以降、最下位が続いている。
図3は米国の生産性を100とした場合の、主要先進7カ国の水準を示したもの。日本はリーマンショック後の09年をボトムに緩やかな回復傾向にあるとはいえ、69.1ポイントで3割強も下回る。就業1時間当たりの生産性の日米比較が図4で、ここでも日本は3割ダウンの水準。主要先進国のなかで最下位だ。一方、図5の06~11年の生産性の平均上昇率のランキングで日本は健闘しているが、米国と同じ上昇率だと、その差は一向に埋まらない。