社員にとっては死活問題である。退職金制度がある会社の割合と平均給付額が減少している。老後はどうすればいいのか――。

金額も導入割合も低下している

退職金。普段意識することはないでしょうが、サラリーマンにとっては重要な問題です。

以下のグラフは、企業年金も含めた退職金(退職給付)制度がある会社の割合と、定年退職者の平均額について、2003年から2013年まで10年間の推移を示しています。

導入割合を見ると、黒い線で示した総計で、87%程度から75%にまで低下しています。全ての企業規模で低下していますが、特に30~99人の中小企業において顕著となっています。これは、退職金制度を廃止する企業に加え、ベンチャー企業など創業期の会社では退職金制度を設けないケースが増えているためと考えられます。小さな会社のほうが企業数は圧倒的に多いため、それに引きずられる形で全体の導入割合も大きく下がっているのです。

一方、定年退職者の平均金額も、総計で2612万円から2156万円まで500万円近く減っています。30~99人の中小企業では増加しているものの、それ以外の企業規模では軒並み大幅減となりました。企業規模が大きいほど定年退職者の人数も多いため、平均退職金額は大企業の値に近い形で減少しています。

また、公務員の退職金についても、民間企業との対比から、国家公務員の水準引き下げが決定しており、地方にも順次適用される見通しです。