ここで注目すべきは、ROE(自己資本利益率)だ。ROEとは、株主の資本をいかに効率よく使って、利益を上げているかを示す指標である。ROEが高い企業は業績がいいだけでなく、財務内容も堅実なため、長期投資をする際には、必ず確認しておきたい。
しかし、かねてから問題視されているように、日本企業のROEは低く、平均6%前後。米国企業の平均15%を大きく下回っている。バフェット氏が日本株に投資をしない理由もそこにあると言われている。とはいえ、今期の上場企業の平均ROEは8.6%と前期の5.3%から大きく改善し、3社に1社は10%を超える見通しだという。
さらに、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)など割安な銘柄を探す指標と組み合わせて、財務内容や業績が好調にもかかわらず、まだ株価が割安なおトク銘柄を探し出してみよう。併せて高配当が期待できる銘柄であれば、配当金が非課税となるNISA向きであろう。
これらの定量的分析だけでなく、バフェット氏のように、業務内容が理解できるか、経営方針に共感できるかといった点も忘れてはならない。
いずれにせよ、NISAは収益が非課税になるのが最大のメリットで、損益通算ができないことから儲からなければ意味がない。是非ともバフェット氏のように下げ相場に強いポートフォリオ作りを心掛けよう。