リストアップするスキルは、多いほどいい。実際にお金に結びつくスキルはごく一部だが、最初に100個出すつもりであげていかないと、隠れたスキルまであぶり出せない。

また、この作業は繰り返しやることが大切。少なくとも一度は2人でスキルの棚卸しをする機会を設けたほうがいいが、あとは普段の会話の中で拾っていくやり方でかまわない。

午堂登紀雄さん

スキルの棚卸しができたら、次は収益化する方法を探っていく。

ステップは2つだ。まずはそれぞれのスキルについて、それを必要とするだろう顧客層をノートに書き出していく。次に、それぞれの層が抱える歌や声についてのニーズを明確化し、合致するビジネスを考えていく。顧客が「子ども」なら「音感教育(リトミック)」とつなげていくイメージだ。

自分の持つスキルはプロ級ではないので、どうせ誰も必要としていないと決めつけるのは早計だ。

「妻の声楽のスキルでは音楽ファンを顧客にするのはたしかに無理でしょう。しかし、彼女より一歩後ろを歩いている人たちなら、お金を払ってくれる可能性がある。その顧客とは誰なのかを見極めることが大切です」(午堂登紀雄さん)