ここまでは「スキル」→「ターゲット」→「ビジネス」と発想をつなげてきた。ただ、このように単線的な展開をするだけなら頭の中だけでやることも可能だ。せっかくノートを使うのだから、次のステップとして複数のスキルの組み合わせでビジネスアイデアを生むやり方にもチャレンジしたい。

具体的に説明しよう。秋竹さんには、「ピアノ」というコアスキルもある。そのスキルを活かして、19歳のころからピアノ教室を開き、子どもたちに教えていた。その話を聞いた午堂さんは、秋竹さんには「子どもに教えるスキル」があると分析。それをもう一つのコアスキルである「歌」と組み合わせて、「子ども向けリトミックのDVD教材」というアイデアを思いついた。2人はその企画をレコード会社に持ち込み、現在進行中だ。

このように複数のスキルを組み合わせて考えるときは、ノートを使って縦横無尽に線を引きながらやったほうがいい。可視化しながら考えたほうが頭の中が整理されて、いいアイデアが生まれやすいはずだ。

ちなみにスキルの組み合わせを夫婦間でやると、ビジネスの展開はさらに広がる。

引っ越しにあたり、不動産業者に要望を伝えるためにもノートを使う。上の写真はイメージ写真を切り貼りして作成したもの。

「妻の歌とピアノを組み合わせると、リトミックビジネスが考えられます。ただ、リトミックスタジオを都心で構えると固定費が高く、軌道に乗せるのはきついことが予想されました。一方、私は不動産仲介が本業で、不動産に関する知識は豊富です。そこで2人の強みを組み合わせて、子どもの多い新興住宅地に、住居と教室と賃貸を兼ねた自社ビルを建てました。2016年中に引っ越しして、教室もオープンさせる予定です」(午堂登紀雄さん)

プロ級でなくてもいい。お金を払ってくれる顧客がいるかどうかが大切です。

 
(小原孝博=撮影)
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