毎月の赤字額10万円超だったダメ家計も8万円超の黒字に大改造! 家計再生のプロ・横山光昭さんが、実際にあったダメ家計簿10件の改造例をもとに、今すぐ取り入れられる家計再生アイデアの数々を伝授する。

渡辺家の家計簿改善 BEFORE⇒AFTER [年収:740万円]
家族構成●夫(39歳・メーカー勤務)、妻(36歳・事務職)
年収●額面=740万円/手取り=夫346万円、妻226万円
月収●手取り=夫23万円、妻15万円 ボーナス●夏・冬=夫:35万円ずつ/妻:23万円ずつ 
貯蓄額●880万円 保有不動産●なし

渡辺家は、しっかり者の妻が独身時代に貯めた880万円を元手に、月々の差額にボーナスを加えた月17万2000円を運用。21年間3%で運用すると7651万円に。夫婦の退職金を2500万円と見込めば、合計資産は1億151万円と大台を突破する。そんな渡辺家の家計簿もかつては火の車。夢見がちで金銭感覚の希薄な夫を、しっかり者の妻がサポートしていた。

「人生一度しかないから」と転職を繰り返すたびに夫の収入は下がり、しかも小遣いが足りなくなるとクレジットカードで散財。あるとき、多額の請求書に驚いた妻がさすがにキレて、相談に来た。

相談前、渡辺さん夫妻の家計は、家賃や水道光熱費など、基本の支出は出し合い、あとは互いの小遣いの中でざっくりと管理していた。しかし、独身時代の借金を妻に肩代わりしてもらったほどで、夫の小遣い管理能力はゼロ。そこで小遣いの中身を「見える化」する作戦を取った。夫10万円、妻6万円だった小遣いを、それぞれ4万円、3万円に大きく減らし、必要経費はあらかじめ家計に振り分けた。

そのため、費目によっては増えたものもある。食費は昼も夜も各自が小遣いの中から好きに外食することが多かったが、夕飯は自宅で揃って食べる機会を増やそうと、食費を増額。同様に生活日用品も微増したが、予算を決めたことで本当に必要なものだけを買う習慣ができた。また、小遣いを減らした分、夫のジム月会費は教育費として家計から捻出。いわば「アメとムチ」をうまく使い分けている。

一方でもちろん減らした費目もある。絶対に必要というわけではなかったクルマを手放したことで、月々3万5000円が浮いたのは大きい。通信費は夫婦ともに格安スマホに乗り換えた。その結果、月々の差額は大幅な黒字に。

横山光昭
家計再生コンサルタント。マイエフピー代表取締役。
庶民派ファイナンシャルプランナーとして、8000人以上の赤字家計を再生。著書に『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズなどベストセラー多数。
(小島和子=構成 大沢尚芳=撮影)
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