毎月の赤字額10万円超だったダメ家計も8万円超の黒字に大改造! 家計再生のプロ・横山光昭さんが、実際にあったダメ家計簿10件の改造例をもとに、今すぐ取り入れられる家計再生アイデアの数々を伝授する。
岡本家の家計簿改善 BEFORE⇒AFTER [年収:970万円]
家族構成●夫(47歳・営業職)、妻(45歳・主婦)、長男(10歳)、長女(10歳)
年収●額面=970万円/手取り=748万円
月収●手取り=50万円 ボーナス●夏・冬=夏=48万円/冬=100万円
貯蓄額●460万円 保有不動産●2,000万円
岡本さんは、毎月の差額とボーナスの約8割を合わせ、月36万円を3%で13年間運用している。退職金850万円に不動産(土地のみ)を2000万と見積もると、合計1億116万円と大台を突破。
そんな岡本家もかつては、夫の稼ぎはいいのになぜか毎月赤字になってしまうダメ家計簿。仕事が多忙な岡本さんは、家事と育児は専業主婦の妻に任せっきり。責任感の強い妻は、双子を出産後、良き母、良き妻になろうと、食事は有機野菜を使って毎食一汁三菜を死守するなど頑張ってきた。夫はたまには妻を助けようと夕飯に宅配を利用することもあり、結果的に食費が13万4000円とかなりの高額になっていた。
妻は家事と育児の両立に悩み、ストレス解消のため、被服費、交際費、娯楽費もかさむ。いわゆる「ストレス消費」だ。実は妻の両親が近くに住んでいるのだが、結婚した以上、親に頼ってはいけないと、妻は1人で頑張りすぎていた。
岡本さんの場合、家計改善には妻の負担減が欠かせない。そこで両親との同居を提案。幸い2人ともまだ60代後半と若く、孫の面倒を見る元気もある。思い切って自宅を売却し、代わりに実家を2世帯住宅にリフォーム。自分たちの都合で同居を決めたため、新たに2世帯住宅のリフォームローンを自分たちで抱えることになったが、月々のローン返済額は以前の住居費よりは安くなった。
膨らんでいた食費は、光熱費込みで実家に定額7万円支払うことで折り合いがついたため、合わせて10万円近くも大幅にスリム化。固定電話代、生活日用品、新聞・NHK受信料など、実家と共用することで削れる費目もバカにならず、2世帯効果を十分に発揮。引っ越しを機に子どもの習い事も整理して、月謝は3分の1程度に縮小した。
家計再生コンサルタント。マイエフピー代表取締役。
庶民派ファイナンシャルプランナーとして、8000人以上の赤字家計を再生。著書に『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズなどベストセラー多数。