とくに民間の個人病院では、金儲け主義に陥るとそれなりの傾向が表れてきます。「いつもすいている病院」は、もはや論外。ただし、すいているのを隠そうと患者のサクラを雇い、いかにも繁盛しているように見せる病院もあるから要注意です。豪華な待合室や、最新機器の多さに惑わされてもダメ。設備投資は経営を圧迫します。経営者であれば、少しでも早く「元を回収」しようと考えるのは当然。ちょっとしたことでも最新ハイテク機器で検査しようとする病院なら、「カモ」にされていると思っていいでしょう。利益を挙げられる病院(医者)というのは、人件費をうまく切り詰めているか、節税対策がしっかりしている病院(医者)だけ。「利益と患者サービスは相反する」と知れば、病院にかかったとき自ずと冷静になれるはずです。
私はかねてから「医者の常識は世間の非常識」と公言しています。医者の多くが、自分は社会的ヒエラルキーの上位にいると思い込んでいること、さらに勉強ばかりしてきたことで、他人とのコミュニケーション能力が極めて低い傾向にあるから。しかし、医者とは本来はサービス業であり、患者と医者の関係は消費者とサービス提供者にすぎない。なのに、多くの医者は消費者である患者を見下している。病気というものは少なからず人間の心理も影響します。“病状をきちんと説明したうえで患者を励ますことができる”コミュニケーション能力の高さも、「名医」の条件。しかし、現在はこれができない医者が多いから問題なのです。
▼病院チェック15のポイント
ご近所のあの病院は大丈夫!? 患者は二の次! 儲け至上主義の危ない病院には、こんな傾向がある!
※ここでの「病院」とは、大学病院や公立病院ではない、個人経営の中規模病院を指します。
[1]いつもすいている――待ち時間0分&患者1人あたりの診療時間も十分確保してくれる個人病院が、「長時間待ちの大病院よりいい」は、ありえない。評判が悪く患者が来院しない可能性もある。外来患者が常に少なければ、病院の経営状態が“危険”であるのは間違いない。
[2]スタッフが少ない――医療に関わるスタッフの数をまず確かめよう。治療の成否は「スタッフの充実」如何にかかっている。とくに手術や入院の際、看護師などのスタッフが少なければ少ないほど、医療ミスの確率が上がると頭に入れておきたい。