これら構成を考える際のポイントを2つ、紹介します。

まず1つは、フレームワークを使いこなすことです。例えば、マーケットの話であれば、「3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)」、マーケティングの話であれば、「4P(Product:製品、Price:価格、Place:流通、Promotion:プロモーション)」などです。これらは相手もすでに知っていて感覚になじんでいるものも多く、理解してもらいやすい構成になるからです。自分のオリジナルの分類を用いるよりも、ビジネスの場やその業界で一般的になっているフレームワークがあれば、活用したほうがよいでしょう。

もう1つのポイントは、大項目の数を3、5、7にすることです。これらはマジックナンバーといわれ、覚えやすい数字です。全体構成には始めと終わりがあり、その間に2~5の大項目があるのが一般的です。<前頁の図>一番左の全体構成では、項目が多すぎて、一見して頭のなかに入りませんが、中央の構成では、最初に「A課題」、終わりを「E解決策」とし、その間を3つの項目で分類した結果、わかりやすくなりました。項目数が多すぎる場合は、階層を上げて大分類を作り直しましょう。

資料全体の構成、いわゆる「棚割」ができたら、見出しを付ける作業に入ります。そこでは伝えたい内容を的確に表現できていて、かつ相手が見出しとして認識しやすいものを選ぶのが基本です。認識しやすいかどうかは相手やその所属する業界によっても異なりますから、ターゲットプロファイリング(http://president.jp/articles/-/17580)に基づいて、わかりやすい表現を選ぶといいでしょう。

見出し付けのポイントは、長すぎないようにすること。「成功要因」「プロセス評価」のように2つの単語を並べるぐらいがちょうどよいです。

見出しに同じ単語が3回以上重複して出てくる場合は、因数分解の要領でくくって重複する単語を1つ外に出したほうがよいでしょう。先ほどのチャート化された構成の例のなかにも「評価」という単語が3つ重なっていますから、「評価」という言葉でくくれば、セクションの部分が「プロセス」「システム」「運用」ととてもすっきりします。なるべくテキストを減らすことがわかりやすさ、見やすさにつながり、本質が何かをつかみやすくなります。