トランス脂肪酸をもっと知りたい人へ「ことばの解説」

【トランス脂肪酸】
トランス脂肪酸は、加工された“あぶら(油脂)”に含まれる成分です。油脂の成分の1つである脂肪酸には、(1)不飽和脂肪酸と(2)飽和脂肪酸*の2種類があります。
(1)の不飽和脂肪酸の量が多ければ、常温で液状の「油」(植物由来のサラダ油、大豆油など)になります。(2)の飽和脂肪酸の量が多ければ、常温で固まる「脂」(動物由来のバターやラード、植物由来のパーム油など)になります。

トランス脂肪酸は、(1の)液状の"油"を人工的にマーガリンやショートニングのように固めた“脂”を作る工程で生じます。

*【飽和脂肪酸】
「バターやラードなどの脂を摂り過ぎると、コレステロールが増えるから健康に良くない」と、よく言われます。これは動物性の脂に多い飽和脂肪酸(2)に、“悪玉”と呼ばれるLDLコレステロールを増やす作用があるためです。飽和脂肪酸を摂り過ぎると、動脈硬化などによる心臓病のリスクが高まります。とは言っても、LDLコレステロール自体は適正な量であれば悪いどころか、身体には必要不可欠な成分なのです。なぜなら、身体を構成する約60兆個の細胞の膜やホルモンなどの原料だから。現に、これまでの研究で、LDLコレステロール量が少な過ぎると、ガンや感染症などによる死亡率が高まることが明らかにされています。

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