われわれ人類の起源は、きわめて乱交的だった。人類は近親相姦を避けるため、目新しい相手に惹かれるよう進化した──最新の研究が「浮気の正体」を解き明かす!

『性の進化論』(作品社)をカシルダ・ジェタと執筆したところ、世界21カ国で翻訳され、大好評を博した。内容を一言で要約すると、「女性も男性と同じように強い性的関心があり、一夫一妻制は自然の摂理に反する」ということだ。

心理学者、調査心理学博士 クリストファー・ライアン氏(写真=時事通信フォト)

では、なぜそもそも人は恋に落ちるのか。そこにはドーパミン、オキシトシンなどのさまざまな脳内麻薬や、プロジェスティンといったホルモンがかかわっている。だが、こういう化学反応だけで恋が芽生えるというものでもない。「ベートーヴェン」「母親」「スシ」も立派な愛の対象だが、そこには肉体関係は存在しない。では、性的関係を燃え上がらせるものは何なのか。端的に言って、「障壁」である。相手に魅力を感じるからこそそこに情熱が生まれるが、情熱をさらにかきたてるのが障壁だということだ。たとえば片方が(あるいは両方)既婚者である、遠距離恋愛で毎日会えない、生まれ育った文化背景が違う、家族から反対されている――といった要素があるからこそ、2人はこの障壁を乗り越えようとする。