50歳女性大量退職、もう1つの「M字カーブ」
ちなみに、希望出生率1.8を実現するための政府の緊急対策の1つとして、
<3世代の「同居」や「近居」の環境を整備するため、3世代同居に向けた住宅建設、UR賃貸住宅を活用した親子の近居等を支援する>
ことが盛り込まれている。この施策の推進によって同居が進めば、女性の介護離職リスクがさらに高まる結果になりかねない。
日本では妊娠前に働いていた女性の60%が第1子出産前後に退職し、再び40歳ぐらいからパートなどで働き出す。この就業率変化を「M字カーブ」と呼ぶ。
ところが、今後は、政府の“後押し”もあり、親の介護に直面する50歳前後に大量の女性が退職する「もう1つのM字カーブ」が発生する可能性がある。
安倍政権の掲げる2020年に女性管理職30%を目指して、多くの企業が女性の登用に力を入れている。
ところがちょうど、課長から部長に昇進しようという時期に辞めてしまうというリスクも企業は抱えることになる。もしかしたら、2020年を境に女性管理職の減少が始まるかもしれない。