管理職の点数 日本40点:海外80点

日本人管理職の弱点1▼組織のパフォーマンス力

日本企業 40点
海外企業 80点

[ここがダメ1]とにかく遅い!

90年代から日本企業には「保守的」という定番の評価がある。褒め言葉ではない。海外企業から見ると「日本企業はビジネス進行が遅く、変化に乏しい」。この25年間日本企業現場は何も変わっておらず、現状でも商談には丸1年を要する。

[ここがダメ2]戦略ネタが乏しい!

パフォーマンス向上には、しっかりした戦略企画が必須だ。日本企業の場合は、市場拡大のためのM&Aのような戦略投資はよくある。しかし、圧倒的に苦手なのは次のような分野だ。

・成熟市場での収益構造の改革など、地味だが頭をひねらないと出てこないような戦略企画
・既存事業を売却し将来進化が図れる事業への入れ替えなど大転換を伴う戦略企画

現状の戦略企画では組織パフォーマンスの向上を促す、刺激的な材料に乏しい。

[ここがダメ3]事業計画上の思考停止!

「今、うちは事業計画通りに推移しているから問題ない」

日本企業に「世界の業界がこんな動きをしていますよ」と世界市場最前線の状況を説明し、市場での素早いアクションを促しても、現場の部長職からはこんな説明を受けることがよくある。彼らの本音はたぶんこうだ。

「新規案件をぶちあげて、失敗したら、キャリアはパー。失点しないに尽きるね」

こういう思考停滞気味の管理職の存在は、日本企業に特有の現象と感じる。

彼らの市場の定義は、身の回りの日系他社が対象で、基本的に国内市場中心にどんな競争をし、海外では決まったパイの中だけでどのくらい展開しているのかを着目している。

日本企業のパフォーマンスが乏しい原因のひとつに、閉鎖的な"村社会"意識が挙げられる。また経営戦略は毎年考える事業計画の延長上にあり、年次の数字を安定維持してさえいれば合格とされる。よって変革の時代を迎えても、ひっくり返して新しく掘るような野望ある発想やハングリーな戦略策案は生まれてこない。