「日本の管理職は世界で通用しない」
▼世界の先進企業の管理職はこうしている!
[ここがすごい1]挑戦的な収益改善案が続々
一方、海外企業では経営層が現場のパフォーマンス向上にうるさいので、どこの管理職も必死になって、年次ごとに収益改善のための策を次々と発案し実行していかなければならない。組織に停滞が起こることなどあり得ない。
今の市場に安泰など感じておらず、5年の中期目線で、どんどん新しい戦略と行動計画を仕込んでいる。一番の違いはそのチャレンジやアクションを部長や事業部長といったリーダー自身が率先して行っていること。自らが勉強会に出て、ネタを仕込み、次の新しいチャレンジを考案する。上になればなるほど、収益改善へのハングリーさがものすごい。
[ここがすごい2]投資会社・株主がやかましい
経済低成長の時代となり、企業とは働く場所であるとともに、投資対象としての側面がより濃厚になってきている。口やかましい株主がいて、収益マイナスが2~3期連続続いたら、経営職は新しく入れ替わる。
そのため、経営戦略には人事が入り、専門部隊が入り、絶対に戦略をやり遂げるための人材を揃えてチーム編成を行う。組織全体で時間内でミッションを遂行をするようになっている。人の能力の“狂い”は、仕事の精度の“狂い”。戦略遂行のためには、まず人の能力を揃えることがより重要になってきている。
[ここがすごい3]常に前進、あぐらをかかない
現場では職務分担しながら結果を分かち合うシステムを採用し、個人に対しては絶対なる仕事への信頼を寄せているため、各人の腕の磨き合いが自然に起こる。その結果、より強固な現場を生み出している。
先日、米国の混迷を極めるリテール業界のノードストロームを取材をし、飛行機の移動時にフランスの高級ブランド・クリスチャン・ディオールのプロジェクト現場の仕事ぶりを紹介するビデオを鑑賞した。その知名度、商品力は世界的に知られる伝統あるブランドだが、常に前身しようとしている姿には胸を打たれるほど、仕事に対するモチベーションには圧倒された。
市場と顧客から求められる創造価値の提供、創造を形に作り上げていく個々人の責務全うのパワー、長期勤務の職場が形成するブランドへ絶対なる忠誠心、そしてお披露目ですぐ下される評価と契約……。彼ら一人ひとりがプライドをかけたミッション遂行はすさまじい。
08年からの経済不況以降、市場構成、競合他社、ビジネスモデル、収益構造などが大きく様変わりし、市場の「仕込み」は、前へ前へと対策が取られ、アクションは秒単位とすこぶる早い。世界の各地域で仕事をすると、市場トレンドは刷新され、世界はひとつにつながっていると実感することが増えた。
日本は早く目を覚まさないと、取り返しがつかなくなる、と私は感じている。