「移動と体験」で発想ががらりと変わる
さらなる休みのメリットは、新たな体験をする機会を得られることです。普段行かないところに行ったり、近くの商店街をゆっくり歩いてみるだけでも、新たな発見があるものです。何日か連続して休めれば、勉強する時間や普段はまとまった時間がなくてやれないこともやれます。小さなお子さんがいるなら、貴重な時間も持てるはずです。休みのメリットはたくさんあるのです。
ちなみに、私は若い頃から残業が嫌いでした。それは今も同じです。講演やテレビ出演などがあれば夜でも働きますが、スケジュールがなければさっさと切り上げます。部下たちにもそれを薦めています。それにより、リフレッシュすることや勉強の時間も十分に取れるからです。家族や友人と過ごす時間も増えます。
だからと言って勘違いしないでいただきたいのは、楽に仕事をしてもらおうということではありません。
私はときどき、部下たちに「仕事が終わって帰るときには今日一日、目一杯働いたかどうかを振り返ってから帰ってください」と言います。勤務時間中は、わき目も振らず、目一杯働く。それが大切です。プロフェッショナルの仕事はそんなに甘いものではありません。
その心構えで仕事をしていれば、時間の使い方も上手になりますし、実力も上がります。常に実力を高めることが大切なのです。そして、勤務時間が終わったら、さっさと帰る。経営者から見ても、こういう部下が一番望ましいのです。
勤務時間中に十分な成果を上げてくれて、それでムダな残業もせず帰ってくれる。逆に、日中からパフォーマンスも上がらずダラダラ仕事をして、その延長線で残業となり、残業代を支払わなければならないのは経営者にとっては最悪です。そして、本人は疲れて、明日の仕事に差し支えるようでは、だれにとっても良いことではありません。