「ものを見る力」を鍛えてご褒美ゲット

最近、『ビジネスマンのための「発想力」養成講座』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)という本を出版しました。

発想力とは、人とは違うユニークなアイデア、それも実現可能なアイデアを出す能力のことです。だれもが豊かな発想を持ちたいと思いますが、簡単にはいきません。

発想の豊かな人に共通する特徴は、物事をよく見ているということです。

発想とは「アウトプット」ですが、ものを見るという「インプット」があってこそ、発想が生まれるのです。インプットなしで、アプトプットはないということは皆さん分かっておられると思いますが、人はアウトプットで評価されるので、アウトプットだけを求めてはいませんか。

アウトプットの力、それもユニークな発想をするためには、良質なインプットが必要なのです。つまり正確にものを見るということです。

ものを見る力を高める第1ステップは、「関心」を持つことです。関心のないものは見えないのですが、関心があるものは見えるようになります。

講演の際などに、次のような質問を受講生の皆さんにすることがあります。

「今日はこの会場に来るのに電車で来た人は、最寄駅の何番の自動改札機を出てきましたか?」

見逃しやすいが、改札機の下部分にゲートの通しナンバーが記載されている。

すると、たいていの人はそれを見ていません。中には、

「改札機には番号が書いてあるのですか?」

と答える人までいます。

電車の自動改札機は、たいてい下の方に結構大きな字で番号が書いてあります。普段見ているものでも、正確には見ていないものは結構たくさんあります。

しかし、もし皆さんが今日までそのことに気づいていないとしても、明日からは必ず見えます。それは、この文章を読むことで「関心」を持ったからです。関心を持つとモノが見えるのです。