論理の飛躍で不可能を可能に

「論理パズル」には、不可能を可能にする発想力を育む効果がある。

世のほとんどの人が「そんなことができるわけがない」と思いこんでいたのに、実は可能であったということは少なくない。ビジネスマンの世界でいえばブレークスルーの実現である。それがいかに重要かは説明するまでもない。

不可能を可能にするには大変な苦労が伴う。何通りも解決方法を考え、「あれもダメ、これもダメ」と試行錯誤を繰り返し、その先にやっと光明が見えてくるのである。

エジソンが白熱電球を発明した際にネックとなったのは、高熱でも溶けないフィラメントをつくることだった。最終的にフィラメントの材料に京都の竹を使用したことは有名だが、アメリカのエジソンがそこへゆき着くまでにどれだけの試行錯誤を繰り返したか。

動物の毛や革、金属、植物、果ては友人のヒゲ……。エジソンが試した素材の数は何千種類にも上る。一口に試行錯誤というが、不可能を可能にするにはそこまで突き詰めなければいけないのだ。

このような忍耐力や根性、探求心を育てていくには子供の頃からの訓練が大切であり、良質の論理パズルはそのための優れた素材となるのである。

また、お手軽な論理思考の本を読むと「論理を飛躍させてはいけない」などと書いてあるが、これでは優れた発想は生まれない。不可能を可能にするような発想をするには、論理の飛躍が必要である。

手塚治虫先生は1952年に執筆開始した『鉄腕アトム』の中で、74年に手の平に載る小型の原子力コンピュータが登場すると描いた。

そして執筆から約20年後の71年、日本人の嶋正利氏が開発した世界初のマイクロプロセッサがインテル社から発表された。手塚先生は原子力という部分に関しては外したものの、手の平コンピュータの登場はほぼ言い当てていたわけだ。こんな発想はお手軽な論理思考の本を読んでも生まれてこない。発想の技術はもっと複雑なのである。