リシャールでは、キャスト(女性)の朝礼は営業終了後に行われる。だが、店が始まる前にもちょっとしたコミュニケーションの場を設けている。

彼女たちは出勤前、必ず髪をセットしなくてはならない。しかし、昼間の仕事を持っている人は美容院へ行く時間が取れない。また、美容院のセット代は高額だ。そこで、リシャールでは500円で髪をセットするサービスをしている。部屋を用意し、専属のヘアメークをふたり雇っているのだ。

他店でも同じサービスはあるが、たいてい1000円以上。毎回かかる費用だけにありがたいようだ。

他店でも同じサービスはあるが、たいてい1000円以上。毎回かかる費用だけにありがたいようだ。

店長の犬塚英憲氏は「セットしている間に、店で行うイベントなどの伝達をしています」と言う。

「キャストには朝礼でこまごまとした注意をするよりも、まずは働きやすい環境を整えることが大切なんです」(犬塚店長)

リシャールは落ち着いた内装で高級感がある。専属シェフもいて、かつサンド(2000円)といった手作りメニューも置いている。キャストの平均年齢は23歳で、どの子も明るくて元気だ。

「うちは社用の客が来る店ではない。1万円あれば充分で、庶民的なサラリーマンが小遣いで遊ぶ店です」(同)

キャストたちはスケベな客や横柄な客とも相対しなくてはならない。髪のセットサービスのような店側の配慮があるだけで、働く気分は違ってくる。

「でも、朝礼では厳しく言いますよ。仕事を覚えるには注意しなくてはいけない。僕らは毎晩遊んでるわけじゃないのだから」(同)

さて、最後に読者に有用な情報を書いておきたい。キャバクラでモテる客になるには、次の点に留意すること。

・下ネタばかり話さない。
  ・ガラの悪い言葉遣いは慎む。
  ・「あと何回来たら……」と聞かない。
  ・金を払うときになって、突然、エラそうな態度を取らない。

キャバクラでモテるには男子の欲望を隠しておくことだ。

(尾関裕士=撮影)