投資家との面談で「おまえはあやしい」
【田原】吉田さんは方向転換を迫られて、クラウドソーシングと出合った。
【吉田】サイバーエージェント・ベンチャーズ社長の田島聡一さんに教えていただきました。「いまインターネットでクラウドソーシングという革命が起きている。吉田さんは法人向け営業が得意だから、合っているのでは」と教えてくれたんです。
【田原】クラウドソーシングというサービスをまだ知らない人もいると思う。これはどんなサービスですか?
【吉田】仕事をアウトソーシングしたい企業と、仕事したい個人をインターネット上でマッチングするサービスです。調べてみると可能性を感じました。アメリカにoDeskという会社があり、11年当時ですでに年間200億円くらいの仕事をマッチングしていました。すごいのは、アメリカの企業が発注する仕事を、フィリピンやウクライナ、インドなどの人たちが受注していたこと。まさに世界規模です。それと、外注というと単発のイメージがありますが、oDeskでは、週30時間以上、その会社の仕事を継続的にやっているフリーランスも多かった。つまり社内にいる社員と同じように、世界中の個人がチームで働いているという未来が生まれはじめていたのです。
【田原】クラウドソーシングの会社をつくるのに何から始めましたか。
【吉田】仲間探しです。ただ、私は業界内で「あいつは役員に逃げられて失敗した」と噂になっていたので、まずは信頼がある人に株主になってもらおうと考えました。会いに行ったのは、楽天球団の立ち上げメンバーの一人で、企業向けビジネスの神と言われていた小澤隆生さんです。