【田原】いきなりでは小澤さんにも信用されないでしょう。

【吉田】はい。最初の面談で、「おまえはあやしい」とはっきり言われました(笑)。ただ、ビジネスモデルには興味を持ってもらえました。

【田原】どうやって信用を得たの?

【吉田】いままでの失敗談を正直に話しました。自分はお金にも、社長という地位にも興味があった。女性にもてたかったし、ワインも好きだった。でも、失敗を経て、人の役に立つ事業をしたいということ以外はいらないと本気で思った。だからクルマも売ったし、前の会社で得た貯金2500万円も、すべてこの事業につぎ込みます。3回、4回と通って、そうお伝えしたら、最終的に出資していただけることになりました。

【田原】ほかに投資してくれた人は?

【吉田】クラウドソーシングを教えてくれた田島さんも会社として投資してくれました。田島さんは、銀行からサイバーエージェントに入ったので外様の人。私も20代にインターネット業界にいなかった外様の人間だったので、共感してもらえる部分があったのかもしれません。

【田原】小澤さんや田島さんが株主として加わって、信用力が増した。次は何をやりましたか。

【吉田】まずプログラマーに声を掛けました。仕事と人のマッチングはニワトリと卵の問題と同じで、発注する企業と受注する個人のどちらを先に集めるべきかが問題になります。ですが当時はプログラマーが足りない状況だったので、まずそれを集めるのが先だろうと。

【田原】でも、プログラマー不足なら、優秀な人はみんな忙しいから相手にしてもらえないのではないですか。

【吉田】はい。だから最初は顔写真だけをお借りしました。トップページに著名なプログラマーの方たちの写真を50人くらい並べて、「間もなくオープンです。興味ありませんか」と出したわけです。