優れた品質、顧客満足度が求められる

フレッシュハウスは年間9000件のリフォーム実績を持ち、リピーター率が60%と業界平均を大きく上回る。お客さまから大変高い評価を頂いているフレッシュハウスと組むことで、高品質かつ低コストのリフォームサービスを提供できると判断した。もちろん、同社の佐野社長とは経営観やビジネスモデルについて徹底的に話し合った。今後はフレッシュハウスの高品質なサービスの提供を前提としてより多くのお客様に満足していただけるようなリフォームサービスの展開を検討していきたい。

このようなSOMPOホールディングスの新事業展開が「多角化」と表現されることがあるが、これは私どもの考えとは必ずしも合致しない。当グループが手がける様々な事業は「安心」「安全」「健康」で一貫したものであり、保険を核として親和性の高い分野を事業ドメインと定義している。

私はこれを実現するための事業のあり方を「テーマパーク型ビジネスモデル」と呼んでいる。テーマパークでは来園者がいくつもの施設やイベント、サービスを主体的に回り、楽しまれている。これを当グループにあてはめれば、「安心」「安全」「健康」を中心とする様々なサービスをお客さまが自らお選びになり、体験されるというイメージだ。

保険に限らず、グループ会社のいずれかのサービスを経験したことがきっかけで、「SOMPOホールディングスなら安心だ」と納得され、その後、他のグループ会社が提供する様々なサービスを主体的に選択いただけるような成長シナリオを描いている。それを実現するためには、グループ会社がそれぞれ提供するサービスにおいてクオリティと高い顧客満足が求められ、お客様の高い要求をグループ全体でクリアしていくことで「真のサービス産業への進化」が可能となると考えている。

櫻田謙悟(さくらだ・けんご)
1956年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、安田火災海上保険入社。2010年に損害保険ジャパン社長に就任、2014年9月より損保ジャパン日本興亜会長。12年より日本興亜損保との持ち株会社NKSJホールディングス(現・損保ジャパン日本興亜ホールディングス)社長を兼任。
(構成=岡村繁雄 撮影=市来朋久)
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