「いいモノをつくっているからそ売れる」

ブランディングとは、企業が顧客にとって価値のあるブランドを構築するための活動をさすマーケティング用語。ロゴマークを作ったり、パッケージデザインを変えたりしてブランドイメージを構築し、価値を高めていく作業のことだ。

とはいえ、イベントやロゴデザインをカンタンに変えてすべてがうまくいくはずはない。その商品が持つ根源的な意味を最大限引き出し、普遍的なイメージをデザイン化し、それに沿った戦略を積み重ねていくことが大切だ。佐藤氏は<ブランディングの必要性を人間の体にたとえて説明すると、もう20代の頃とは違うのだという変化を自ら感じ取り、先手を打って生活習慣を変えるようなもの>だと説明する。

本書は、“医師の立場”の佐藤氏と“患者の立場”の組合の共著の方法を取っている。片方のキレイ事の言い分ではないため、“闘いの軌跡”がリアルに伝わってくる。品質基準の設定やロゴマーク、資格試験、ショールームなど一つひとつ丁寧に歩んでいく姿が、読む者を惹きつけていく。

佐藤氏は言う。

<「いいモノをつくっているだけでは売れない」という現状は、本質をつかみ、ていねいに正しく伝えていくことで、「いいモノをつくっているからこそ売れる」という未来に変えることができる>

大きな壁に悩むさまざまな業界や地方に共通のヒントが示されている。苦境に悩むビジネスマンや地方行政などに関わっている人たちに、ぜひとも読んでいただきたい一冊だ。

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