「ありのままの私」に戻りたい
他に、目に留まったのは、次のような女子の生態だ。
・ソファで20分ほど爆睡する仮眠女子(水曜:午後6時半~)
・鏡の前でスマホを充電しながら、参考書にひたすらマーカーを引いている勉強女子(木曜:午後6時半頃)
・文庫本を熟読する読書女子(日曜:午後5時半頃)
・休日なのに持参のノートパソコンを広げて作業する女子(日曜:午後6時頃)
・数袋のショッピングバッグから中身を取り出し、一袋にまとめる女子(日曜:午後6時半頃)
・靴を脱いで足をマッサージし始めるリラックス女子(金曜:午後7時頃)
・レストランに電話をかけランチの予約をしている女子(水曜:午後1時頃)
・おしゃべりに興じているおばちゃん3人組(水曜:午後5時半頃)
とまあ、みな、のびのびと時間と空間を使っている。
もっとも目を引いたのは、平日の昼過ぎに目撃した手芸女子……ならぬ手芸おばさん(推定50代)だ。なんと彼女は、カバンの中からダンボール紙やら毛糸やらを取り出し、紙を適当な大きさに切ったと思ったら、そこに毛糸を巻き付け、毛糸玉を作り出したのだ。
傍らには、毛糸で作ったらしきお人形が2体。最後まで観察できなかったが、その後、お人形製作まで続けた公算が大きい。ギャルと、OLと、人形おばさん。それぞれの極私的時間が同居している、不思議。
各施設のパウダールームに滞在するパウ活女子は、単独行動者が9割以上だった。
都心のど真ん中、それもオシャレ最先端の施設にありながら、そこに行けば“ありのままの私”に戻れる。女子が互いの「したい放題」を許し合うこの空間を、男性がもし隠しカメラで見ることができたなら、きっと唖然とするに違いない。